通夜・葬儀
お葬式(通夜式・葬儀式)とは、簡単にいえば、亡くなった人をあの世に送る儀式です。
仏教であれ何であれ、宗教を信じない人にとって、「あの世」なんてあるのか、と思われるかもしれませんが、あの世へ送るとは、永遠の安楽の所、仏のいらっしゃる浄土へ送ることです。
亡くなった方のご冥福を祈りつつ、「あの世」に想いを馳せ、「死」について思考を巡らし、不安や恐怖を感じながらも、今ある「生」について感謝の気持ちが自然とこみ上げてくる、これがお葬式に参列する方々の大方の気持ちでしょう。
この「お葬式」こそ仏教をより身近に接する機会だと当山では考えています。現在の仏教は「葬式仏教」などと批判されることもありますが、当山では、「大乗寺のお坊さんにお葬式をやってもらってよかった」と、思ってもらえるよう、厳粛な態度をもって、至心に通夜式・葬儀式を営みます。
死は、誰もが逃れることのできない、この世の生命活動の終焉です。しかも、いつの日に訪れるかも分かりません。そして、だれにとっても未知の体験であり、訪れです。
つまり「死」は、
一、不可避である(避けられない)
二、不予知である(前もって知ることができない)
三、未体験である(一度も体験したことがない)
の三要素から成っている、といえます。
この誰にとっても、できればいつまでも来てほしくはない「死」を前にして、「いのち」の意味に深く思いを致すとき、生きることの大切さを、あらためて思うはずです。
いつ訪れるかもしれない、
「いのちの終わる日」にのぞみ、
かけがえのない一度きりの
生と死をとおして、
真実の生命に生まれ変わり、
本当の安心を得るために……